犬や猫では、望まない妊娠や病気、問題行動の発生を防ぐため、メスでは避妊手術を、またオスでは去勢手術を行います。手術のタイミングや方法については、犬や猫の状態や時期によるので、獣医師との相談が必要です。
本記事では、犬や猫の去勢手術について解説し、メリットや注意点についてもお伝えします。
去勢手術について
去勢手術とは、全身麻酔をして2つの精巣を摘出する手術のことを指し、問題がなければその日のうちに帰宅することができます。
一般的に犬では小型犬で8ヶ月齢頃、大型犬で10ヶ月齢頃に、また猫では7ヶ月齢頃から性成熟期(生殖機能が備わること)を迎えるとされています。
体重や健康状態などにもよりますが、多くの場合でこの性成熟期を迎える前の生後6か月頃から1歳の間での去勢手術が推奨されます。
なお、1歳を過ぎても去勢手術はできますが、マーキングやマウンティング行動などが癖になってしまっている場合には、去勢手術をしても変化がみられない場合もあります。また、高齢になるにつれ麻酔や手術の負担が大きくなるため、手術をするなら早めが良いでしょう。
去勢手術のメリットと注意点
・去勢手術のメリット
去勢手術の最大のメリットは、望まない繁殖を防げることです。メスと多頭飼いをしている場合や、屋外で避妊手術をしていないメスとの交尾による過剰増殖を防止することができます。
また、去勢手術を行うことにより、前立腺肥大や精巣腫瘍などオス特有の生殖器関連疾患を予防する効果も期待できます。
さらに、犬の場合は去勢手術により、発情期の問題行動(攻撃性、マーキング、発情時独特の鳴き声など)によるストレスから解放されます。
一方、猫では去勢手術を行うことにより、尿スプレーや脱走などの発情兆候が抑えられることに加え、オス特有のきつい尿のにおいが緩和されることが期待できます。
・去勢手術の注意点
去勢手術は全身麻酔が必要になるため、麻酔や手術による体への負担があることを理解しておきましょう。
また、去勢手術により本来生殖器で消費するはずだったエネルギー量が減ることや、食欲を抑制する働きをもつ男性ホルモンが減少することにより、太りやすくなります。そのため、去勢前と同じ量のフードを食べていると太ってしまうため、フードの量や種類を変更するなど、体重管理を行う必要があります。
災害時の同行避難におけるマナーとしての去勢手術
災害時にペットを連れて避難することを「同行避難」と言います。過去の災害において、避難所など同行避難先でペットに関してのトラブルがあったといういくつかの報告があります。
被災時に他のペットやその飼い主とのトラブルにならないよう、マナーとして去勢手術を施しておくことをおすすめします。
例えば、避難所など同行避難先に避妊手術をしていないメスがいた場合、去勢手術を施していないと、交尾をして妊娠させてしまうというトラブルに繋がります。
まとめ
去勢手術には望まない妊娠を防ぐだけでなく、愛犬や愛猫の病気の予防や行動改善といったメリットもあるため、手術をされる方も多くいます。
ただしデメリットもあることから、去勢手術をしようか迷われている場合には動物病院に相談し、愛犬や愛猫にとって飼い主様が良いと思う選択をしましょう。
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