脊髄梗塞とは、脊髄の周りにある血管が何らかの原因で詰まる病気です。犬と猫で比較的まれな病気ですが、突然発症し、重度の麻痺や歩行障害を引き起こす可能性があります。椎間板ヘルニアとよく似た症状が見られるため、しっかりと診断をして治療に結び付けることが重要です。
犬の椎間板ヘルニアについてはこちらのページでも解説しています

今回は、犬と猫の脊髄梗塞の原因や症状などを詳しくお伝えします。

原因


詳しい原因はわかっていませんが、考えられる原因は以下です。

線維軟骨塞栓症
線維軟骨(椎間板)に似た物質が血管内に入りこみ、血管を詰まらせてしまうことで発症すると考えられています。特に、シェパードやラブラドール・レトリーバー、ミニチュア・シュナウザー、シェットランド・シープドッグなどの犬種で好発することが知られています。

血栓
血管内に血栓が形成され、血管を塞ぎます。血栓は、動脈硬化や不整脈などの原因で形成されることがあります。

寄生虫
犬糸虫などの寄生虫が原因で発症することがあります。

また、この病気はどの年齢の犬猫にも発症する可能性がありますが、一般的には犬では4〜6歳の若齢から中年齢での発生が多く、猫では高齢での発生が多いといわれています。

症状


脊髄梗塞は、何の前触れもなく突然発症します。

梗塞の起きた部位によりますが、左右どちらか、あるいはまれですが両側の足の麻痺が起こり、歩き方がふらついたり、立ち上がれなくなったりします

また、排尿障害や排便障害が見られる場合もあります。

多くの場合、痛みを伴わないのが特徴で、発症から48時間が経過すると、症状の進行はほぼ止まり変化が見られなくなると言われています。

診断方法


四肢の麻痺がみられる病気はいくつかあるので、上記のような症状が現れたからといって、必ずしも脊髄梗塞とは限りません。

まずは神経学的検査を行い、その後MRI検査で脳や脊髄の状態を正確に確認します。

治療方法


現在のところ、脊髄梗塞を根治する治療法は開発されていないため、対症療法が中心です。

痛みがある場合は炎症を抑える薬を処方し、痛みを和らげます。また、リハビリテーションを行い、筋肉の衰えを防ぎます。

また症状の程度にもよりますが、重度の場合は治療後も軽い麻痺などの後遺症が残る可能性があります

予防法やご家庭での注意点


発症原因がわかっていないため、特定の予防方法は存在しません

もし、愛犬や愛猫が突然倒れたり、足が動かなくなるなどの症状が見られた場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。

まとめ


脊髄梗塞は、急に症状が現れるため、戸惑われる飼い主様も多くいらっしゃいます。適切な治療を受ければ、症状が改善し、運動機能が回復するケースもあります。愛犬や愛猫に上記のような症状が見られたら、すぐに動物病院を受診しましょう。

くじら動物病院はともに働く仲間を募集しています!


当院では飼い主様から必要とされ続ける動物病院になるべく、ともに「誠実な医療」を目指すことができる仲間を募集しています。経験豊富な中途獣医師・動物看護師はもちろん、新卒者を含む経験の浅い若手を育成する体制も整っていますので、少しでも興味がある方は以下の応募フォームからご応募ください。

獣医師・動物看護師のエントリーはこちらから
当院の診療科目についてはこちら

愛知県岡崎市・豊橋市・一宮市で圧倒的な臨床件数
手厚い福利厚生とキャリアアップ支援も充実の動物病院
くじら動物病院グループ