脳腫瘍と聞くととても怖いイメージがあり、愛犬や愛猫が診断されたら飼い主様としては大変ショックですね。どのような病気でどのような症状が出るのか、治療はできるのかなど心配なことも多いでしょう。

本記事では、犬や猫の脳腫瘍について、原因や症状、治療方法について詳しくお伝えします。

脳腫瘍の原因


腫瘍とは、細胞が無秩序に増え続けて塊状になったものです。
犬や猫に発生する脳腫瘍は、頭蓋骨内部にできる原発性脳腫瘍と、他の部位から脳に転移した転移性脳腫瘍があります

脳腫瘍の中でも脳そのもの(脳実質)にできる腫瘍を「脳実質内腫瘍」、脳を覆う硬膜にできる腫瘍を「脳実質外腫瘍」と呼びます。
犬や猫の場合、「脳実質外腫瘍」のひとつである「髄膜種」が比較的よく知られています。また、いずれの腫瘍も比較的高齢で発生しやすいことが特徴です。

脳腫瘍の症状


脳腫瘍の症状は、腫瘍の場所や大きさによってさまざまです。

よくある症状のひとつには「けいれん」が挙げられます。また、元気食欲の低下、吐き気などの一般症状の他に、歩き方に異常が出たり、ふらついたり立てなくなるなど運動障害が出ることもあります。

これらの行動は老化によるものと受け止められるケースも多くありますが、脳腫瘍が隠れていることもあります。

診断方法


脳腫瘍の診断はまず症状の確認や血液検査、神経学検査など麻酔がいらない検査を行い脳腫瘍以外の病気を除外します。

脳腫瘍である可能性が高いと判断されると、麻酔下でCT検査やMRI検査を行います。脳炎との鑑別のために、脳脊髄液を採取することもあります。

治療方法


治療方法には手術で腫瘍を取り除く方法や放射線治療、抗がん剤の投与などがあります。

その他、状況に応じて対症療法のみを行うこともあります。脳腫瘍は比較的高齢で発症することから、手術によるリスクを取るべきかどうかの判断も重要です。

予防法やご家庭での注意点


脳腫瘍を明確に予防する方法はありません。
腫瘍が小さいうちに見つかれば、手術によって取り切れる可能性が高くなるため早期発見が大切です。
また、脳腫瘍は初期では症状がほとんど出ないため、定期的な健康診断が何より重要と言えるでしょう。

まとめ


脳腫瘍はとても恐ろしい病気のひとつです。特に、中高齢で発症しやすいことから、愛犬愛猫の行動に変化がみられても老化と片付けずに脳腫瘍を疑いましょう。初めは症状が出ず、分かりにくいこともありますが、異常に気付いたら早めに動物病院を受診しましょう。

腫瘍については以下のページでも解説しています
◼️犬の脾臓腫瘍について
◼️犬や猫の乳腺腫瘍について
◼️犬の悪性黒色腫について
◼️腹腔内腫瘍について
◼️犬と猫の肝臓腫瘍について
◼️犬や猫の体表腫瘤とは

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